エンジンブレーキとは
バイクの運転で初心者から中級にランクアップするためにマスターしたい項目としてエンジンブレーキがあります。
エンジンブレーキはエンジンの回転数を利用した減速方法です。
普通減速をするときにはハンド部分のブレーキおよびフットブレーキを使用しますが、エンジンブレーキではむしろ運転しないことにより得られる効果を使用します。
バイクは構造的にスロットルを開いた時にのみエンジンが動きますので、手を離せばそれまでの回転数が落ちていきます。
ミッションバイクではスロットルの調整によって回転数を落とすと同時にギアを落としていくことで滑らかに減速をしていくことができます。
オートマチックのスクーターや四輪自動車ではアクセルを開放するときの減速は一定ですが、ミッションバイクでギアを調節することで通常のブレーキ制動と同じような効果を得ることができます。
ブレーキを使用する場合、回転している前後の車輪に強制的に摩擦を起こして減速させるのに対しエンジンブレーキでは自然に回転数を調節していくのでブレーキパッドやドラムの摩耗がなくより長期的にバイクに乗っていけるというメリットがあります。
またエンジンブレーキに慣れることにより、自然に先を読んだ運転をしていくことができるので運転技術そのものの向上が目指せます。
エンジンブレーキが自然に使えるようになることにより、スピンや転倒の可能性が減るという様々な利点があるのでぜひ普段から意識的に使うようにしていきたいところです。
使い方、活用方法
エンジンブレーキにはメリットが多いという説明をしましたが、かといってエンジンブレーキだけで運転ができるというわけでもありません。
エンジンブレーキはあくまでも回転数を落としてスピードを遅くしていくというだけのものなので、例えば急な危険を避ける場合などでは悠長にエンジンブレーキでスピードを落としていては間に合いません。
公道を運転するときにはエンジンブレーキ+フットブレーキ+ハンドブレーキという3つをバランスよく組み合わせていく技術が必要になってきます。
エンジンブレーキが最も活躍するのは減速と加速が頻繁に繰り返されるワインディングロードや先の予測が必要になる信号の連続する交差点などです。
そうした場所であらかじめ減速をしておき、完全に停車する直前にブレーキを使っていくようにすることで滑らかな停止までの運転をしていくことができます。
エンジンブレーキはただ回転が落ちるままにしていてはエンストを起こしてしまうので、回転数に合わせて先にギアチェンジをするという操作が必要となります。
通常のブレーキと全く別物と考えるのではなく、同時に使用をしていくことによりさらに使用シーンが広がります。